糖尿病の治療について
なぜ血糖をよくしないとだめなのか
血糖が高い状態が続くと、トイレが多くなる、のどが渇く、体重がおちてくる、などの症状がでて、さらにひどくなると高血糖により意識を失ってしまうこともあります(糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧昏睡)。
しかし症状がでるのはものすごく血糖が高くなってからで、人によってはかなり高い状態でもまったく症状が出ない場合もあります。
しかし、糖尿病は「症状がでるから治療をする」のではありません。
血糖がほんの少し高いだけの状態でも血管の壁に障害を残していきます、それが動脈硬化です。
障害自体が小さくてもそれが長い間つづけば血管がせまくなり、心臓や脳の血管がつまると心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまいます。
早期発見、早期治療が必要な理由
「早く治療をした方がいいのはわかるけど、今忙しいのでもう少し時間ができてから治療を始めよう」と思う方はいないでしょうか。
血糖による血管のダメージは10年以上たってからはっきりしてくる人がほとんどです。
糖尿病の治療を「最初からしっかり行うグループ」と「少し軽めで行うグループ」に分けて経過をみていった試験があります。
それぞれのグループで亡くなった方の割合は治療開始から15年までは差がないのですが、15年以降は「最初からしっかり治療していたグループ」の方が亡くなる割合が低くなります。
あとから治療を頑張っても血糖上昇により体(特に血管)に積もってしまったダメージを取り除くのは難しいので、「できるだけ軽いうちに」「できるだけ早く」「しっかりと治療」が大事になります
とにかく薬を使って血糖を下げればいいの?
血糖をよくする薬にはいろいろな種類があります。
血糖の薬に限った話ではありませんが、体の状況によっては使えない薬もあります。
また、血糖の薬による副作用で「低血糖」があり、これが起きると血糖が高いのと同じ、もしくはそれ以上に脳や心臓に悪影響があることもわかっています。
生活状況、血糖の状況、糖尿病以外の病気がないか、にも目を配って相談していく必要があります。
気になる症状があれば、札幌市新川にある、いりうだ内科・糖尿病内科クリニックにご相談ください。